(更新は毎週月曜・木曜の予定です)

愛犬「カメ」

2003/02/27

私が小学校2年から高校2年までの間、我が家には犬がいました。
「飼っていた」というほど立派な扱いではなかったと思います。
ごはんは人間様のおこぼれでしたし、放し飼いが許される頃でしたから、散歩に連れて行く必要もなく、ごくごくナチュラルに犬小屋に住んでいました。

体調約50cm。
やさしい顔をした雑種犬で名前は「カメ」。
ドンくさく臆病な犬で、車やバイクの音を聞くと逃げるように小走りに帰ってきて、そそくさと自小屋にこもるんです。

夏になると近所の公園から聞こえてくる爆竹の音が怖いらしく、玄関でもベランダでも、戸が開いてるところから静かに家の中に入ってきて、部屋の中でブルブル震えているんです。
我が家の戸があいにく閉まっている時などは、隣の家の奥さんから
「ちょっとー、お宅の『カメ』ね〜、うちの座敷で震えてるんだけど〜」
と呼び出される始末。

母のお弟子さん達が、「おやつ」をバッグから出して「カメ」に食べさせてくれるもので、バッグを持った女の人とは、愛想良くシッポを振り振り交流できるのですが、見知らぬ人を見ても吠えもせず、スーっと隠れてしまうので番犬にはなりませんでした。

ある時 私が「カメ〜、カメ〜」と呼びながら遊んでいると偶然通りがかった同級生が「お前、恐ろしいこと言いながら遊んでるな〜」と言うんです。
どうやら彼には「噛め!」と聞こえたらしいんですよ。
確かに犬を呼ぶのに「噛め(カメ)」とは恐ろしい響きかもしれません。
実際は鶴亀の「亀」が由来のお目出度い名前なんですけどね。

「カメ」は、私達家族に10年間安らぎを与えてくれ、静かに黄泉の国に旅立ちました。

家族の一員だった愛犬「カメ」の思い出の一コマでした。

かなこ

  

ザ・グレートベアーズ ニューイヤーコンサートをアップしました。

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