カナコラム  (更新は毎週月曜・木曜の予定です)

茜色は夕焼けの色

2003/10/23

お昼タイムに美味しいお蕎麦をいただきながら、自宅お茶の間で何気なく見たテレビ番組。
山形県の米沢市にある山あいの里の大きな栗の木が映っていました。
昔ながらの工程による草木染めを再現している方々や、その作品を紹介する番組でした。
紅花や栗の殻(イガ?)やその他色々、工房の庭にある草木によって様々な色に美しく染まる糸の色はその年によって変わるそうで、毎年同じ色にはならないとのこと。
神秘的な感じですね〜。

藁のベッド(?)で飼われた「繭」を丁寧に糸に紡いでいく女性の指先。
手技によって無から有に至る光景を見ているようでした。

1200本の縦糸を自身の手で機織にセットするとのことでしたし、一反の着物が完成するには5年か10年かかるとのこと。
気が遠くなりそうな手仕事ですよね。
昔は手仕事が当たり前に行われていた訳ですから、家々から機織の音がしていたのでしょうね。

アナウンサーが「どういう気持ちで織ってるんですか?」という質問に、「無心です。が、あえて言うなら自分が糸になって織っています。」という答え。
織物は製作品などではなくご自身なのか・・・などとその言葉に妙に感激してしまいました。

茜草の根から染まる「茜色」の糸。
「茜色は夕焼けの色です。草かんむりに西と書いて茜。夕日のことですね。」という何気ないお話も芸術的に感じてしまって・・・。

明るく楽しそうな声で「楽しいですか〜?」というアナウンサーの軽い質問の連発には、「せっかくの雰囲気を壊すわ。」とちょっと立腹。
もう少しマシな質問できない?な〜んて思ってしまいましたが、何はともあれ山里の秋。
映像で「秋」を満喫できました。
じっくり見入ってしまったせいで「お蕎麦」はのびましたが・・・(*'へ'*)
  

かなこ

 

10/12(日)北海道三曲連盟第10回定期演奏会のリポートをアップしました。

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