カナコラム  (更新 月曜:かなこ、木曜:endy )

平和への祈りを込めて by かなこ

2004/08/09

立秋(8月7日)が過ぎましたが、まだまだ暑い盛夏の様子です。
でも朝晩に吹く風の心地は確かに涼やかかも・・・。
(立秋を過ぎたという先入観念から来る気のせいかしら?)

8月6日、8月9日、そして8月15日。
今月は「戦争」を格別に意識する月でもありますね。
「戦争を知らない子どもたち」という歌がありますが、「戦争しか知らない子ども達」という本のタイトルを眼にしました。
「おとなはなぜ戦争するの」というタイトルの本も。

「月光の夏」という映画はごらんになりましたか?
私は見ていません。苦しいから・・・。
「死ぬ前にもう一度ピアノを弾かせてください!」と言って、『月光』を弾いて特攻隊で飛び立ったという若者の話。
実話にもとずく話なんですってね。
この本のタイトルは「ピアノは知っている−月光の夏−」

私は中学生の頃、「きけ わだつみのこえ」という日本戦没学生の手記遺稿集記を読みました。

何度も読みました。
戦争の世に生まれてしまった若い人達は、生きることと死ぬことの意味をどう捉え、自分が置かれた状況の中で自身の人生をどう見据えていたのだろう。
戦争の世を受け入れざるを得なかったその時代の若者の「幸」とは何だったのだろう。
当時の私はこの本を読んで、その時代を想像するしかなかったのですが、いろいろ考えた時間だったと思います。
現在も当時の学校の図書室に居るその時の自分を記憶しています。
戦争という悲惨さと若くして散った学生の心境・・・。
漠然ながら心が苦しく重くなった時でした。
それは毎年8月に思い出す重さです。
スポーツの祭典での反日感情ブーイング。
過去の歴史のしこりが消えることはないのでしょうか。

来る9月11日(土)の私のコンサート「秋韻」では、齋藤晃一さんがベートーベンの『月光』を編曲した「月の光に寄せて」というタイトルの新曲を演奏します。
私にはきっと「わだつみのこえ」が重なる『月光』になると思います。

また9月11日はアメリカテロが起こった日でもあり、平和を願う気持ちでつたないながら詩とメロディーを作りました。
齋藤さんがアレンジしてくれて秋韻コンサートで歌います。
平和への祈りを込めて「アベマリア」も歌います。
今年の秋韻は例年になく、「平和」という二文字を思うコンサートになりそうです。

多くの方々が秋韻コンサートに足を運んでくださいますように・・・。
そう思いながら準備に明け暮れている今日このこの頃です。

7/29の箏アンサンブルライブの写真をアップしました。

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