カナコラム  (更新 月曜:かなこ、木曜:endy )

なぜギターを弾くことになったのか? by endy

2005/08/11

ども、時間は急に止まれない、桂う、いやendyです。

●恐怖のソルフェージュ

今でこそ「あなたの趣味は?」と聞かれれば「楽器を弾くことです」と当たり前のように応えるのだけど、あらためて楽器を始めた動機を考えてみます。
そもそも楽器という存在を意識しだしたのは小学校の頃。
さほど裕福でもなかった我が家でも何か習いものをということで、選ばれたのがオルガン教室。
ピアノじゃなくてオルガンというところがミソ。
これがねー、オルガン教室に行くのがイヤでねー。
特にソルフェージュとかいうヤツ。
先生が弾いたメロディを譜面に書き取るというヤツなんですが、さっぱりわからない。
ある日、先生が弾くメロディが自分の持っているテキストの中に譜面があることに気付き、それから正解を連発。
あまりの正解に先生が不審に思い、あえなく御用。

●男の子は大太鼓

それでもオルガン教室は2年位通ったでしょうか。
その効果は現在ほとんど残っていませんが、楽器に対するアレルギーがないというところだけは貢献してるかもしれないです。
高学年になると学芸会とやらで器楽演奏をやらせられます。
特に楽器が弾けない、でも一見活発な男の子は、大太鼓というのをやらせられることが少なくありませんでした。
男の子は黒いランドセル的な、いかにも日本らしい押し付けです。
私も何度か大太鼓の役を任命されたことがあります。
当時、中途半端におませだった私は「音楽なんて女の子のするもんだ」などと思ってまして、全然やる気なし。
出来る出来ないという次元ではなく、かなりいい加減にやってました。
今思えば、あの頃真面目に大太鼓を叩いていれば、今頃ドラマーになっていたのかもしれないと思うとおしいことをしたもんです。

●2階のマリちゃん

ちょうどその頃夢中になって見ていたのが「時間ですよ」というTVドラマ。
森光子、堺正章、樹木希林(当時は悠木千帆という芸名)らが繰り広げる銭湯を舞台にしたコメディドラマです。
そこにマドンナ役として登場したのが、天地真理。
松の湯の隣の家の二階でギターを爪弾きながら
さよならーの ことばさーえ いえなかったのぉ〜♪
と歌うわけです。
そう「二階のマリちゃん」です。
当時、私はこのマリちゃんの大ファンでして、部屋中に雑誌についてくるマリちゃんのポスターをベタベタと貼りまくってました。
後にも先にも芸能人にこれほど入れ込んだことはありません。

●ギターはいいぞぉ

そんなマリちゃんに入れ込んでいる私を見た父が言いました。
「お前、ギター弾いてみないか?」
「いやだよ。」
「ギターはいいぞぉ、淋しい時とか悲しい時に心を癒してくれるんだぞ。」
「いらない。」
小学生の悪がきに「心を癒す」などと諭そうとするなどどだい無理なわけですが、それでも父は熱心にギターをやることの素晴らしさを私に説きます。
もちろん父はギターが弾けませんでした。
もしかしたら父自身にギターが弾けることへの憧れがあったのかもしれません。
そういえば当時父の好きな歌手は「鶴岡雅義と東京ロマンチカ」でした。

●涙の拒否

あまりにしつこく勧誘する父にとうとう私は「絶対いやだー!」と泣き出してしまいました。
もし私があの時ギターを手にしていたら、今頃私は自分のバンド「エンドウユタカと函館ロマンチカ」で全国を回っていたかもしれません。
その後中学で、友達がギターを弾き始めたのをきっかけに、私もギターに興味を持ち始めました。
それも中途半端な興味ではなく、勉強一切そっちのけでのめり込みました。
おかげで成績はまっさかさま。
それを見て、父は言いました。
「ギターを弾いてみたらとは言ったが、そこまでやれとは言ってない。」
でもねー、そこまでやったから面白いのよ、これが。

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