カナコラム  (更新 月曜:かなこ、木曜:endy )

吹奏楽の旅  by endy

2005/09/29

ども、棚ボタに縁のないendyです。

●青春ドラマ

毎回見ているわけじゃないんですが、好きなTV番組があります。
日本テレビ系の「笑ってコラえて」という番組です。
一般的には、日本の田舎の村や町を尋ねてその土地の良さを紹介するというコーナーが有名なようなんですが、私が好きなのはその後のコーナー。
この番組、日本全国の高校の吹奏楽部を紹介する「日本列島吹奏楽の旅」というコーナーがあるのです。
毎回全国大会に出場する高校もあれば、いまだ県大会ですら危ういという高校まで、ありとあらゆる高校の吹奏楽部を紹介するのです。
そしてそのそれぞれに青春ドラマがあるんですねぇ。

●もう練習には出ない

昨日見たのは、いつももうちょっとのところで全国大会出場を逃している高校。
今までは3年生中心に編成を組んで出場していたのだけど、何とか全国大会に出場するために全学年のオーディションを行ってメンバーを決めることにしようという提案が出たのです。
ところが、チューバを担当する男子生徒はこう言います。
「自分はオーディションをやれば必ず落ちる。それで大会で演奏できないことになるのなら部活にはもう出ない。」
話し合いのその場の雰囲気からして、そんな発言をするなどということなど私には考えられませんが、彼は1人だけ「もう練習には出ない」と言い切ります。
すると同じチューバを担当する女子生徒が泣きながら言うのです。
「今まで一生懸命やってきて、何でそんな情けないこというんよ。」

●ミンナがいてくれたから

結局、オーディションは行われあのチューバ君は本人の予想通り不合格。
さて彼は翌日の朝練にやってくるのか?
30分ほど遅れて彼はやってきました。
今度は「1,2年生中心の中編成(2軍みたいなもの)で県大会に出場する」と言います。
さて大編成の方は見事県大会で金賞を受賞し、全国大会出場となりました。
あのチューバ君は言います。
「全国大会には出場できないけれど、これからはみんなを応援する。」
「もう練習には来ない」と言ってた時とは随分変わったね、と聞くと、
「やっぱりミンナがいてくれたから。」

●一生懸命やっている姿

あまりにもベタな展開だと言うのはわかっていても、演出だの演技だのということなど頭にない彼らの姿にしばし涙。
そうか、「純粋」ってこういうことなんだなーと自分の高校時代を振り返ってしまいます。
どういう時に人は感動するのか?
人は何でも一生懸命やっている姿を見せられると心が動きます。
それが類まれなる演奏技術や演技力がなくてもです。
もちろん彼らの演奏は、プロのミュージシャンに比べれば非力であることは否めませんが、でもやっぱり感動している彼らが演奏しているからこそ、私たちも感動させられてしまうのかもしれません。

●近頃も昔も変わらない

私は正直なところ「吹奏楽部」にあまりいいイメージを持っていません。
大人数で譜面を忠実に再現するという組織力重視というのが、どちらかというと私のタイプではないのかもしれません。
そんな私でさえ毎回涙するわけです。
きっとそれは吹奏楽部だけじゃないんですね。
一生懸命やっている部活はほかにもあるんです。
「近頃の高校生は・・・・」
近頃も昔も高校生の考えることはさほど変わりありません。
やはりまっすぐに目的に向かっている高校生はたくさんいるんだということを、この番組を見るたびに感じさせられて安心します。

秋韻コンサートVol.14のリポートをアップしました。

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