筝曲美音和会 第51回演奏会 〜箏の響き〜 青麒賞受賞記念 2003/04/29(火) 函館市芸術ホール

鈴演奏者、デビュー! 火の用心! 極道の妻たち 宮崎加奈古より プログラム お客様の声 演奏会風景

火の用心!

何度か芸術ホールのステージには上がっていたのですが、緞帳(どんちょう)の裏(ステージ側)に大きく「火の用心」と書かれてあったのには気が付きませんでした。
幕が上がる前の「ピーン」と張り詰めたような緊張感を感じさせる宮崎さんの後ろ姿と、「火の用心」の文字が意外なほどマッチしていました。

「演奏会」というと、ピアノの発表会のように生徒さん(お弟子さん)たちの日頃の成果を、親類縁者に聞いてもらうというイメージを持つ人も少なくないと思うのですが、美音和会の演奏会は、それと若干趣きが違います。

大きな違いは、主宰である宮崎さんがほとんどの曲に参加することです。多くのピアノの先生は、生徒の演奏に参加するということはありませんし、難しい曲に挑戦することもありません。なかには講師演奏として、自分の演奏すら披露しない場合もあるくらいですから。

よい演奏家になるための方法のひとつとして、「よい演奏家の生の演奏を聴く」ということは重要なことだと思います。そしてそれよりももっと刺激になるのが、「よい演奏家と一緒に演奏する」ことです。
そういう意味で、美音和会の皆さんはとてもよい環境にあるのではと思います。

一見穏やかで厳かに見えるステージですが、幕が上がる前はステージ上を宮崎さんとお弟子さんたち、そして楽器を運んでくれるお手伝いの人たちがドタバタと走り回っています。
楽器が並べられ、それぞれの位置に落ち着くと、一瞬の緊張と静寂。
「みんな、いい?」
「ハイ!」
・・・幕が上がります。

つづく

report & photo by endy