秋韻コンサート Vol.12 2003/9/6(sat) PM6:30 函館金森ホール

「和と洋の融合」・・・ 和と洋を融合させるには? 尺八の菅原です! 加奈古より お客様の声 プログラム

和と洋を融合させるには?

endy

もちろん邦楽器と洋楽器、その構造から来る様々な問題があります。例えば、曲を演奏する際に使える音の数にしても、箏の場合、単純に弦が13本ですから13の音しか出せません。弦を押すことで音程を変えることも出来ますが、それにはそれ相応のテクニックが必要ですし、どんな旋律に応用できるというものでもありません。洋楽器では簡単に弾ける洋楽も、邦楽では簡単ではない場合もあるのです。

また音の大きな洋楽器(電気楽器)と合わせるためには、音量をバランスよく聴かせるために、いかに箏の音をマイクで拾うかということにも神経を使います。
このようなことは尺八でも同じことで、宮崎さんも菅原さんも様々な工夫をしています。
そんな苦労を感じさせず聴いてもらうことにも、「和と洋の融合」の意味があるのかもしれませんね。

◆いかに気持ちよくステージの上で演奏できるか、いかにいい音をお客さんに聴いてもらえるか、少ない時間の中、試行錯誤は続きます。

◆今回は尺八に小さなマイクをつけてみました。これで華麗な動きも期待できる?、(^^ゞ

「洋」から「和」へのアプローチ

  
そういえば、この頃の音楽界での「和と洋の融合」というのは、邦楽器の演奏家から洋楽器の演奏家へのアプローチが多かったように感じます。その理由としては、邦楽器の可能性を「洋」の側が正しく認識していないことがそのひとつであるような気もします。
これは、宮崎さんや菅原さんがK's crewと一緒にやった演奏を聴いたお客さんに感想を聞くとよくわかります。皆さん、口々に「箏や尺八の認識が変わりました!」「こんな可能性がある楽器なんですね!」とおっしゃるのです。

実は私には密かに恐れていることがあります。宮崎さんが洋楽の世界にアプローチしたのと同じように、私が邦楽の世界にアプローチしなくてはいけなくなったらどうしようと思ってしまうのです。残念ながら今の自分には、自らすすんで邦楽に溶け込んで、うまくやっていく自信などありません。でもそれすらも宮崎さんにすれば、「そこから生まれた『音』が素敵であればいいじゃない!」と笑い飛ばすかもしれませんけど・・・

宮崎さんにとって、1年の中で一番大きなイベント「秋韻コンサート」が終わって、ひょっとしてしばらく抜け殻のようになっているかもしれません。
いやもしかしたら来年の秋韻に向けて、また新しい挑戦を考えているかもしれません。
また次回も、皆さんと一緒に素敵な音楽を楽しめることを期待しています。

◆毎回着実に函館の菅原ファンが増えています。

それに加えて、尺八のイメージも変えてしまっているのかもしれません。

◆勝利のVサイン!

つづく

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report and  photo by endy