宮崎加奈古(雅是歌)箏・三弦リサイタル                    2008/05/11(日)函館市芸術ホール

宮崎加奈古です。1 宮崎加奈古です。2 お客様の声 裏方の声 プログラム

裏方の声

今回、裏方を勤めさせていただきました遠藤です。
宮崎さんと一緒に演奏させていただくようになってからもう6年になりますが、今回初めて裏方として演奏会に参加いたしました。
今までいろいろな演奏会のお手伝いをしましたが、本格的な邦楽の演奏会の裏方というのはかなりの緊張感です。

まずリハーサルは会場でのサウンドチェックと位置決め。
このサウンドチェックと位置決めは密接な関係があります。
今回、宮崎さんの意向もあり、マイク等は一切使用せず、和楽器の響きを生で伝えたいとのこと。
ステージ上で楽器の位置を変えると、反響板との関係で響きが微妙に違ってくるのです。

宮崎さんの楽器は筝と三味線なので、弾きながら移動して自分の響きを確認することが出来ません。
私はといえば、一般的な「いい響き」というのは理解しているつもりですが、「邦楽器のいい響き」となると今ひとつ「これでOKです!」と自信を持って言えない・・・。

ここでのサウンドチェックは菅原さんにお任せ。
私には聞き分けられない微妙な筝や三味線の響きに的確なアドバイスや意見が出ます。
そうやって楽器の位置が決まっていきました。

問題はもうひとつあります。
客席から見たとき、一番よく見える位置はどこか?
最初に音だけで決めた位置はちょっと奥の方になり、客席から見るとちょっと遠い感じがします。
何度か位置をずらしてみて、先ほどの響きとさほど変わらない位置をみつけ、やっと本番の位置が決まったのです。
お客さまがご覧になったステージはこうやって出来上がっていたのです。

本番が始まると、マイクで音を拾っていないので、ステージ裏の小さな音も客席に届いてしまいます。
裏方メンバーは全員緊張感の中、楽器の出し入れをしました。
スムーズに出し入れが出来るように曲毎に楽器や椅子を置く位置に印をつけておいたのですが、あまりにもたくさんの印をつけたため、最初の曲ではどれがどれだか一瞬わからなくなりとまどってしまいました。

宮崎さんや菅原さん、お弟子さん達の演奏はステージ裏でも迫力のある音で聴こえていました。
でも願わくば、自分たちで決めた位置で演奏された音、そしてお客さまの身体に伝わった響きも含めて会場で鳴っている音を生で聴いてみたかったです。
ほんとに当日お越しになったお客さまがうらやましいです。

また次回、こういう機会があることを楽しみにしております。

※下の写真はリハーサルの時や本番のステージ裏から私が撮ったものです。

つづく