第56回 箏曲美音和会演奏会 〜箏の響き〜                2008/09/13(土)函館市民会館小ホール

宮崎加奈古です。 めくりです! プログラム

めくりです!

宮崎さんと知り合ってから、美音和会の発表会も何度かお手伝いさせていただくことがありましたが、今回は「めくり」という大役を仰せつかりました。
「めくり」という正式名称はこの日初めて聞きました。

私のイメージでは、寄席などで舞台の袖で次の演目が書いてある白い縦長の紙をめくる・・・確かめくる人は黒子・・・いや、袴を着た人だったっけ・・・
とりあえず目立たないように黒っぽい服を着て会場へ到着。

めくり、めくり、めくりはどこじゃ?

舞台を見渡すと、あるある!
舞台の右側にあります。
これ、どういうタイミングでめくるんだろう?

ただ単に「めくる」という仕事だけなのですが、何せ初めてなのでどのタイミングでめくっていいのかわからない。
今回は1曲毎に幕が下りるとのことなので、その時にめくればよいとのこと。
なるほど、それなら簡単!

さて本番が始まります。
幕はまだ下りています。
えーっと、そろそろめくりをめくるとするか・・・初めくりだな(笑)

ん?

めくりは舞台に出ているのですが、幕が下りている故、壁と幕の間からめくらなくてはいけない。
その間が、とても人が通れる隙間ではない!
しからばと、泥棒さながらに身を薄くし幕と壁の隙間から手を伸ばし、めくりを・・・。
何しろ無理な体勢からの作業。
手がつりました(笑)

気付いた人がいるかどうかわかりませんが、客席から見れば、曲目が書かれた白い紙がぎこちなくヨロヨロとめくられていく様に見えたことと思います。

私がめくりとして待機していた場所は、出演される方々が待機する場所でもあります。
曲が変わる毎にいろいろな人がやってきます。
緊張しているのか、自分の出番のずいぶん前から待って心の準備をしている人。

初めての演奏に緊張している人に、優しく声をかけてあげる先輩。
譜面台だ、三味線だと準備にパタパタと走り回っている人。

演奏が上手くいったと、あふれ出る笑みを隠せない人。
ミスがあったのか、大きくため息をして舞台から来る人。

どの人にも私などには計り知れないこの日までのドラマがあったのでしょう。
私は「めくり」という仕事をしながら彼女たちの邪魔にならないよう、そして出来うることなら私などの笑顔で緊張がほぐれるのであれば、とその場所におりました。

そんな彼女たちの心がやっと融けた瞬間。
最後の曲が終わり、幕が閉じた時。
私が向けたカメラに向かって、みんなでピース!
いい笑顔です。

またお手伝いできることがありましたら、いつでもお声をかけてくださいませ。
 
                                              by endy

つづく