
誰が最初に使い始めたのかわかりませんけど、宮崎さんと初めて演奏するようになった2年前は、まだそれほど世の中に浸透していなかったフレーズだったように思います。
昨年あたりから、邦楽器演奏家の方々のコンサートで「和と洋の融合」という言葉をよくみかけるようになりました。
今年になるともう「和と洋の融合」は当たり前のように使われています。
いったい「和と洋の融合」ってどんなことなんでしょう?
最近、宮崎さんとそんな話をする機会がありました。
「邦楽器と洋楽器が同じ舞台で演奏すること、邦楽器で洋楽を演奏すること。もちろんそれはそれで意味のあることなんだけど、そういうことが『和と洋の融合』だとは思わないのよねぇ・・・」
「邦楽器と洋楽器、それぞれの演奏家が出会うことで、今までにない、新しくてどこのモノともつかない音を生み出せたらなぁって思って・・・」
 |
◆このメンバーで演奏するのは今年で二度目になります。それぞれが昨年とは違った想いを胸に秘めての演奏です。

◆左はサウンドチェックの時の宮崎さん。マイクの位置、指のタッチ、使う楽器・・・様々に試行錯誤を繰り返します。 |
|

|
●箏と尺八ってこんな演奏ができるんだ!

今年、K’s crewが秋韻コンサートで演奏した曲は、選曲から編曲までメンバーで何度も打ち合わせを重ね、用意された楽譜を弾きこなすのではなく、それぞれの持ち味を生かしたものになったと思います。
もちろんこの姿勢は、一部の箏と尺八の演奏にも表れています。おそらくK’s crewの演奏が始まる前から、会場で聴いていた多くの人が「箏と尺八ってこんな演奏ができるんだ!」と新鮮な感動を覚えたのではないでしょうか?
昨年に引き続き出演してくださいました尺八の菅原久仁義さんも、自らの音楽活動の中で邦楽に留まらず、様々なジャンルのミュージシャンと共演されています。きっとそこには宮崎さんと同様に「和と洋の融合」なんていう想いは既になく、一緒に演奏する中でいかに「よい音」を創りあげていくかというにつきるのではないかと思います。それはリハーサルを重ねる度に感じることです。

|

|
◆今年は演奏だけでなく、K's
crewでは編曲にも積極的に参加。音に対して「あきらめない」という姿勢には毎回頭が下がります。 |
|
◆毎回、少ないリハーサルなのに、本番では必ず素晴らしい演奏を聴かせてくれる菅原さん。 |
|
つづく
|