(更新は毎週月曜・木曜の予定です)

母とのコンサート回顧

2002/10/24

1978年東京から帰函後の私が本格的な活動を開始したのは、母とのチャリティーコンサートでした。
きっかけは身障者である母が
「何かのお役に立ちたいとかねがね思っていた。」という一言。
『二人でできる事=演奏』という結論に達して、

母娘チャリティーコンサートが始まったのです。
お客様の支援のもと、収益は福祉事業へ寄付させていただきました。
古典を主軸とし,学びたての現代曲を含んだこのコンサートは1978年から1989年まで通算10回続きました。

今思えば、カナコラム「
十月 神無月」で書いた

「習・破・離」実行の第一歩ともいうべき、鍛えられた時間だったような気がします。
母は暗譜(楽譜を見ない)でのお稽古をしてきた人ですから、殊の外感性を主体にして弾くタイプの演奏家だと気がついたのも、この会での合奏によるものでした。

音楽を自分の懐で演奏する母、宮崎美音和の世界を見せつけられたような気がします。

それは良い意味で他者を寄せつけないみたいな感じ。
「ついておいで!」みたいな演奏・・・。
母はすでに「習・破・離」の離=自己の確立に達していたのかもしれません。

「目で演奏しちゃ駄目!」

これは楽譜を見ないという意味ではなく心構えのことで、重要なポイントだと思っています。
お弟子さんにもしっかり伝えたいことのひとつです。
暗譜をしていても、頭の中でページをめくっているような演奏なら音楽は伝わってこないですものね。
正確な音程の確保(当然ですよね)、尚且つ音楽的な表現、自己の音・音楽を客観的に聴く事、聴ける余裕?
決して「自己満足」で逃げないこと。
そして究極は呼吸・・・。

良い勉強になったこのコンサートに感謝しています。

  

かなこ

 

※旭ヶ岡の家ナイトクラブ出演スケジュール

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