(更新は毎週月曜・木曜の予定です)

旭ヶ岡の家 ベレル

2002/11/28

先日、総合老人福祉施設「旭ヶ岡の家」で演奏してきました。
「旭ヶ岡の家」は遥かに海を見渡せる丘の上にあって、素晴らしい眺望と豊かな自然に囲まれた広大な敷地を有するところでした。
私達「K's crew」は、「ベレル」という在宅ケアセンターの施設にある「サンルーム」と呼ばれる部屋のステージで演奏しました。

  
その部屋は天井が高く、壁には装飾が施され、白い椅子と白いテーブルがあって、テーブルの上にはシクラメンなどの鉢花が飾られてありました。
部屋のあちこちに様々なオブジェ、観葉植物、絵画や「触ってみると運が開ける」と書かれた金色のりんごの様な形の大きな物体、可愛いぬいぐるみ集団、街路灯・・・etc。

夢がいっぱいありました。

採光や色使いなどもおしゃれで、映画のワンシーンに出てくるような場所だったのです。
まさに「遊び心」満載の美しいお部屋でした。

演奏が始まってすぐ、ふと目にした光景が今も強く印象に残っています。
ご夫婦とおぼしきお二人の姿なんですが、ご主人は目がご不自由のようで奥様が優しく介助なさり、私たちの演奏が始まると、ご主人の手とご自分の手を重ねてリズムをとられていました。
「人生、山あり谷あり。」
「まさか、まさか・・・という坂を登ったり降りたりの人生。」
などと言いますが、『平和な時間の共有』というようなワンシーンで、その日は穏かな心で演奏を続けられました。

「筝」と記念撮影をなさった方の中に93歳のご婦人がいらっしゃったのですが、矍鑠(かくしゃく)としたお姿に年輪の凄みを感じ、「生きる強さ」を頂いた気持ちでした。

人生という単位を考えると、一曲の演奏時間などまばたきの一瞬にも似ているなと思いつつ、「心に残る音楽を奏でたい!」と痛感したひとときでした。
ちなみに「ベレル」とはフランス語で「BEL AIR」「おいしい空気」という意味なんだそうです。

かなこ

 

※リポート:旭ヶ岡の家 ナイトクラブ

※旭ヶ岡の四季:K's Crew ライブin旭ヶ岡の家ナイトクラブ

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